“必要”と“欲しい”、理屈と感情

おはようございます。シラです。昨晩子どもたちを寝かしつけながら自分も寝てしまいました。なので今朝は早起きです。今日も真我の追求と仕事の実践に焦点を合わせて毎日を過ごすためにブログを書きます。お読みくださりありがとうございます。

Q.結局はお客様との信頼関係で決まると思うのですが、お客様に信頼されるためには何が一番大事なのでしょうか?

→A.大きな会社であるとか、長い付き合いがある、過去の信用の積み重ねがあるという場合は、すでに信用があるのだから、あまり問題にしない方がいいわけです。

しかし、小さな会社だったとしたら、いくら真面目な良い会社でもお客様から見たら信用がないですよね。そういう場合はどうしたらいいか?ということですね。

その場合に大事なことは、信頼とか信用にこだわらないことです。信用がないのに信用を何とかつけようと思ってしまったり、ましてや、そういうことを口に出してしまうと、逆にまずいんです。

私が宝石屋をやっていた時に、絶対に口に出してはいけない言葉が二つあったんです。それを使うとまず売れないんです。一つは「傷」という言葉です。「この宝石、傷はありませんよ」なんて言ってしまったら、「え、傷…?」って「傷」だけが脳裏に残るわけですよ。「傷はありませんよ」って言っているのに、「ありませんよ」が消えて、「傷」だけが残る。そうすると、「これ本当に良いものかしら…?」って疑い始めてしまうんです。そうなると、売るのは難しいです。それから、二つ目は「信用があります」という言葉です。

私が当時勤めていた会社は小さな会社でしたし、もちろんお客様も飛込みで初めて会うわけですが、そういうお客様に「うちは信用がありますよ」なんていいたらダメなんです。まずダメでしたね。「そういえば、この人信用がなかったな。初めて会ったな…」と、「そういえば…」って思いだすわけです。

ポイント 信用を飛び越す。信用のあるなしを忘れて欲しくなるようにする

ではどうしたら良いかと言うと、信用というものを相手にしないで、信用を跳び越すんです。飛び越すとはどういうことかと言うと、お客様はその商品を本当に欲しくなったら、信用のあるなしを忘れてしまう可能性があるということです。

どこかの店に入った時に、最初は「この店間違いないかな…?」と疑いを持つかもしれないけど、でも、そこで「わあー!これが欲しいな…」と思ったら、その店に信用があるかないかなんて忘れてしまうわけです。その商品が欲しいことに、心が動いてしまいます。

ですから、「信用」という言葉を忘れさせてあげることです。それには、商品を欲しくさせることです。

そうしたら、その信頼とか信用と言うのは、後から順次についてきます。

商品をピシッと配送するとか、約束を守るとか、時間を守るとか、そして、誠実だとか、人間性ができているとか、お客様の立場に立てるとか、そういうことは、付き合うごとに少しずつ高まっていくものです。そうやって時間をかけて初めて付いてくる信用というものを、今この瞬間につけようとするよりも、まずは商品を欲しくさせる方が圧倒的に早いわけです。

そもそも今、訪問したからには、今、買っていただきたいということですよね。なのに、信頼を得てからでなければ売れないというのなら、「じゃあ今日はムリね。あなた十回くらい通ってきてくれて、それで真面目だったら信用しても良いよ」ということになって、十回くらい通わないと売れないということになってしまいます。ですから、信用というのは相手にしない方が良いんです。

佐藤康行「究極の営業プログラム」より

ここで思ったのは、質問者が「信頼関係で決まると思うのですが」と言っていますが、それは質問者が思ったことであって、相手は信頼関係で決めるかどうかは分からないんだ、ということです。質問者の「考え」であり「我」。こちらが信頼関係で決まると思って相手に話をすると、相手はやっぱりそこに意識がいって、「信頼関係って大事だよな、あれ?待てよ、この人初めて会うし信頼できる人なのかな…」と思ってしまうのではないかと思いました。お客さんの頭の中で“信頼”というところに意識がいって、“信頼できるか信頼できないか”ということをお客さんが判断しだす、というわけですね、きっと。

ゴールはお客さんに商品・サービスを使ってもらって豊かになってもらうことなので、ゴールにたどり着かないならば「信用、信頼」を使うべきではなし、逆にゴールにたどり着きやすくなるならば「信用、信頼」を味方にするべきなのでしょう。

書いてて凄くすっきりしました。

そして「信用」を跳び越すためには商品を欲しくなってもらうことだ、と佐藤先生が言われています。最近僕はこの“欲しくなる”ということを意識するようになってきました。

保険営業の世界では「保険の必要性を訴えましょう」と“必要性”ということをよく言います。保険金額を決める時に“必要”保障額などといいます。だけど“必要”ということと“欲しい”ということは違うんじゃないかなあという気がするのです。どちらかというと“必要”は理屈で“欲しい”は感情。

英語にすると“ニーズ”と“ウォンツ”です。

東京ディズニーランドのお土産屋さんの売上と百貨店で一番売り上げる新宿の伊勢丹の売上に匹敵するそうです(調べてません、聞いた話です)。もしヒトは必要なものしか買わないとしたらディズニーランドのお土産屋さんなんて全く売れないと思います。あそこには生活必需品なんて1つも置いてありません。高いし。でも日本一の百貨店と同じだけ売り上げるのは、みんな“欲しく”なって買ってしまうんでしょう。

まず“欲しく”なって、その後からいろいろと買う理由を考え出すんじゃないかとさえ思います。買う理由を見つけて、買うと判断をした自分を納得させる。

もし、お客さんの頭の中が①商品を欲しくなる→②買うという判断をする理由を探す、という順番であるならば、売り手側はお客さんに対して①商品を欲しくなってもらう→②買うと判断する理由をどんどん与える。こんなふうにすればいいのかなと(個人的見解)。

人は理屈よりも感情で動く、ということなのでしょうか。

こんなことを意識しながら実際の現場に臨んでみようと思います。